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EnJoe140
「ドアを開けると、ハッピーエンドが立っている。身なりがぱっとしないので思わずチェンジと告げかけるが、ドアに靴を挟まれる。はじめてから日が浅いのだが、出来る限りに頑張るつもりと宣言される。まあ良いかとチェーンをはずす。背後の廊下で何かを盛大にひっくり返す音が響く」 #twnovel12:56 PM Nov 12thfrom web
「火口へ続くエスカレータを設置した理由についてですか。それほど高速ではないのですから、その気になれば駆け戻れば良いだけのことです。下りのエスカレータが必要ないことは言うまでもないでしょう。火山の方でも気に入らなければ吐き出すのです。エンペドクレスのサンダルに対してそうしたように」10:00 PM Nov 11thfrom Twit Delay
「雨の中、人型に雨滴をはじく空間があり、電車が着くと二、三体は改札を抜け歩み出て来る。互いに相手を避け合うが、人と重なるのは構わぬらしい。たまにこれも透明な傘をさしている奴がある。小さな子などが走っていると、傘の下に庇護するのをたまに見かける。体の中にかくまうことは嫌いなようだ」11:33 AM Nov 11thfrom web
「9.11を御存じない。世界初の民主的手続きを経た社会主義国、チリで起こったクーデターのことなのだが。大統領は悲壮なラジオ放送を行った後、建築物ごと爆破された。サイバーシン計画についても? チリ全土を覆ったテレックスの通信網は、社会主義的妄想物と破壊の憂き目を見ることになる」11:26 AM Nov 11thfrom web
「二十六急死の報に俺たちはひっそりと集会を持つ。この九人が一度に顔を合わせるのははじめてのことだ。二十六の歳、時間移動の方法を発見した。以来、俺たちは二〇〇九年に暮らしている。年末にまた年始へ戻る。そんな暮らしがもう十年。まさか一番若い俺からいなくなるとは予想外だと三十六が言う」11:04 AM Nov 6thfrom web
「箱船の建設現場へピクニックへ行く。レジャーシートを敷きながら、起こるんだよねと連れ合いは言う。起こるんだよと返事をする。毎晩テレビでやってるみたいに。これといった相談もなく、お互い乗らないものだと決めつけている。傘を持ってくるんだったと連れ合いは言う。胎の中には子供がある」12:00 PM Nov 4thfrom Twit Delay
「ひょんなことから王様が裸の特異点であることを知ってしまったのです。口外すれば命はないと告げられます。言うなと言われて言いたくなります。どうしても我慢がならなくなった場合には、玉座へ侍して、王様へ向けて呟くのです。王様は裸の特異点。そうしていつしか、好き合うようになっていました」11:41 AM Nov 4thfrom web
「水星には二度太陽の昇る時期と場所があるという。軌道の楕円の程度が大きく、自転周期と公転周期が近いことから生ずるという。多分、昇って沈みまた昇り、それから暫く昼なのだ。きちんと考えればわかるはずだが、気が起こらない。罪と罰の話の中には二度太陽の昇る日があるともいう。気が向かない」12:00 AM Nov 4thfrom Twit Delay
「物心ついた頃には既に大きさと見かけの大きさを区別していたようだ。だから月を示されて兎を見つけられるわけがないと考えていた。それとも他の人々には、月面を跳ねる兎が見えたりするのか。兎が月の模様を指すと理解するには時間が要った。そのくせ、月の影の面でも自分には見えると信じていた」11:02 AM Nov 3rdfrom web
「池から丁度、目のところまで出ている顔は、一体誰のものであろうか。幸いにして、あぶくはぼこぼこ出ているのである。もっとも、ぶくぶく出続けて止まる様子は一向にない。苦しげな風はないのであって、瞬きなどをこちらへ寄越し、助けを呼んだか定まらない。これが水たまりであったとしたなら」12:06 PM Oct 30thfrom web
「絨毯に想い人の姿を織り込むと、新月の夜抜け出て来るとされていますが、どうしてその相手だと確認するかは、言うだけ野暮かも知れません。さてここに一人の間抜けな男があって、女もすなる絨毯織りというものをやってみようと考えました。結果が今の妻だと言います。ほつれがやはり目立ちます」4:00 PM Oct 23rdfrom Twit Delay
「今に至るも泥から生まれる人々だとされています。勿論そんな道理はないのです。ただ衣類が垢じみて、肌が若干黒味を帯びているにすぎません。泥の中で睦み合うとされたのも、たまたまそんな奇矯な者が族の中から出ただけなのです。周囲の者もその見聞を伝えた者もそんなことは百も承知の上なのです」5:00 AM Oct 23rdfrom Twit Delay
「ヴィンヤード島の話をしましょう。陸から離れ血の混んでしまったこの島には、遺伝的に耳の聞こえぬ者が多くいました。島民の誰もが手話を用いて用足すことができましたので、古い会話を思い出すとき、それが耳を経由したのか目を通ったか、誰にも思い出せないのでした。ただの本当にあったお話です」6:00 PM Oct 22ndfrom Twit Delay
「他家の墓石へ勝手に詩を刻む男がおりまして、記されたものが這い出て来るので面倒なのです。注文というのは受けつけません。好きなものを彫れるのならば、亡くした家族を一等先に呼び出すはずだと怒り出します。迷惑なので捕らえましたが、自身の体へ詩を刻みこみ、干涸びて死んでおりました」7:00 AM Oct 22ndfrom Twit Delay
「胡桃に似ており二つに割って用います。どれほど離して埋めたとしても、成長すれば手を繋ぐのです。崖の両端へと埋め、橋をかけるのなどに使われました。時間をかけて内海なども渡るのです。外海とても不可能ではないとされます。月の緑化の暁には。ええしかし、人類がそれを見る日は来ないでしょう」8:00 PM Oct 21stfrom Twit Delay
「一面に格子。細かなものを一度落とすと、釣り上げるなど叶わない。底はいっかな見通せない。奈落へ架けた網だとも、引っかかっているだけとも言う。生身の者が落ち切るほどの間隔はなく、巨獣を封ずるほどの丈夫さもない。一等先になくしてしまった家の鍵の行く先だけが、ただひたすらに気にかかる」9:10 AM Oct 21stfrom Twit Delay
「ご飯を食べない人なのですね。段々と動きが鈍くなっていくだけなのです。私も不規則に暮らしておりますから、二日程は何も食べずにいることがあるようです。食が細いということもなく、出せば出しただけ食べております。男の人というものは一体どれほど与えれば良いのでしょうか」 #twnovel2:00 AM Oct 21stfrom Twit Delay
「指の長い人が好きだって言ったら、これがすごいもの連れてきたよ。もう長いなんてもんじゃない。その指の端についてるの、人? って感じ。関節の数もものすごい。百まで数えて飽きてやめた。でもほんとにすごいのは畳めるってこと。横にもう一人いるみたいな形に握れるんだよ」 #twnovel7:00 PM Oct 20thfrom Twit Delay
「雨だけど傘をさして歩く。晴れだけど散歩に行く。夜だけど電気を点ける。お腹が空いたけどご飯を食べる。一緒にいたいけど同棲する。腹が立ったけど喧嘩をする。朝が来たけど起きる。まだ寝ているけど起こす。中にいるけど鍵をかける。満員電車だけど乗る。お金がないけど働く」 #twnovel12:00 PM Oct 20thfrom Twit Delay
「あの女が旦那のメールをいちいちチェックしているのは知っているから、ほんの一寸した悪戯のつもり。ただ、メールの最後のところに、順番に番号をつけておくだけ。今度飲みにでも行きませんか。二十番。三日をあける。先の件の詳細ですが。二十二番。二十一番は存在しない」 #twnovel5:00 AM Oct 20thfrom Twit Delay